【ネタバレ無し】『TENET テネット』は難しいのになぜ面白い?

今いちばん注目の映画と言えば、クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET』ですよね。WTPのメンバーの間でも話題になっていました。

「難しいけど、おもしろい!」「もう1回観たい!」という前評判は聞いていて、150分の長作ですが如何なる導線も見逃すまいと気合いを入れて行ってきました。

 

※予告編以上のネタバレ含みませんのでまだ観ていらっしゃらない方も、お気軽に読んで頂けたら嬉しいです。

© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

TENET テネット(2020)

2020/9/18,150分,アメリカ/イギリス

 

本当に。ふぉーんとーに難しかったです…気合いが足りなかったのか、鉢巻を巻かなかったせいか、映画のあとの、久しぶりの外食の焼肉が楽しみだったせいか。難解で集中力が途切れそうになることも屡々。(しばしばってこんな漢字なんですね、難し過ぎる。TENETか。)

 

でも、皆さんが仰るとおり、面白いです…!理解出来ない難しい映画を観た時の感想は、つまらなかったになることが多いと思うのですが、時間の逆行を描く映像が斬新で、圧巻の迫力です。順行と逆行のギャップに引き込まれます。映像には引き込まれるのに物語には入っていけないことが、とてももどかしいのですが2回目が観たくなるというのは、声を大にして。本当でしたー!!

 

数々の解説サイトをググり倒し、優しい徹底解説というのも読んでみましたが、知らないカタカナが飛び交い私には全然ツンツンして来ました。(優しくないっ)

結末を知ったうえで、ちょっと色々もう1回教えて欲しい、これはどこに出てきたんだっけ…そんな映画です。

 

あらすじは、未来から何者かに送り込まれたデパートの入り口の回転ドアのようなクルっとした装置で時間を逆行し、第三次世界大戦を食い止め世界を救うミッションを担った主人公の作戦を描く物語です。

 

TENETとはその作戦のコードネームとして物語に出てくるのですが、時間の順行↔逆行というストーリーと、上から読んでも下から読んでもTENETになるということに気づいた時は大発――見!と思ったのですが、解説サイトを読んで隠された意味になるほど…と思う考察がありました。山本山の法則の気付きは、甘っちょろかった様です。皆さんも作品を観て「だからTENETだったのか…!」という気付きを探してみてください。ここが腑に落ちると、結構すっきりしました。

 

「20年前から弾丸が壁から飛び出すビジュアルを思い描いていた」というノーラン監督。作品のキーアイテムとして逆行する弾丸が使われていますが、壁の弾痕から弾が抜けて壁が元に戻るシーンは鳥肌が立ちました。こんなに複雑な物語の構想を練られることに恐るべしなのですが、そんな天才でもひとつの映画の1シーンに20年の歳月をかけて形にすることもあるのだなと、感銘を受けました。

 

いわゆるタイムリープ作品かと思っていましたが現在からある地点へ遡るのではなく、時間の順行↔逆行の繰り返しであり、順行と逆行が共存して描かれるシーンもあります。日常ではありえない状況で、作品が難解になる要因かなとも思うのですが、映像美だけでもとても楽しめるシーンです。

映画館はしっかりとコロナ対策が施されており、久しぶりに大きなスクリーンで鑑賞するのに相応しい大迫力の映画でした。

 

観終えたあと、こんなにも様々な考察や余韻を残す作品は珍しいと思います。あれこれと考えあぐねましたが、それもひとつの醍醐味かも知れません。

 

芸術の秋、食欲の秋、スポーツの秋―思い思いの秋と一緒に、ぜひ映画の秋をお楽しみください。

 

World Theater Project メンバー

飯森美貴