World Theater Projectは現在、主にカンボジアで移動映画館を行っていますが、
2024年10月8日、初めてザンビア共和国の子どもたちに映画を届けることができました!
上映してくださったのは、NPO法人礎の石孤児院(コーナーストーン・オブ・ホープ)の皆さまです。素敵なご縁に恵まれ、このたび上映を実現することができました。
このレポートでは上映の様子をご報告させていただきます。
<上映会概要>
日付:2024年10月8日 地域:ザンビア共和国ルサカ市 場所:コーナーストーン・オブ・ホープ 参加した子どもたちの数:10人 年齢:10~12歳(5年生) 上映作品:『FLY』 (監督 : カルロス・ゴメス=ミラ・サグラド) +ワークショップも実施 |
上映した学校は、低所得層居住地域に住む子どもたち、そのなかでも特にOVC(=Orphans and Vulnerable Children)と呼ばれる脆弱な環境に置かれる子どもや孤児を対象としています。
スマートフォン普及の影響か動画は少しずつ広がっているようですが、映画への馴染みはありません。
~学校と周辺の様子~
上映
いつもの教室に、見慣れない白いスクリーン。
初めての映画に子どもたちはワクワクドキドキ!
「みんな静かにしよう!」と子どもたち自らが声を掛け合うほどだったそうです。
今回上映した作品『FLY』は、鳥たちのハートウォーミングな物語です。
映画が始まると子どもたちの目はスクリーンに釘付けに。
低学年の子どもたちも窓から覗き込んで鑑賞していたそうです。(カンボジアでもおなじみの光景ですね…!)
感じたことを言葉にする、ということが苦手な子どもたちが、担任の先生のサポートを得ながら感想を言語化してくれました。
素晴らしい内容ばかりなので、いくつかご紹介させてください。
※作品のネタバレを含みます。
- 鳥たちの唯一の家である木が燃えてしまったシーンが印象的だった。鳥たちがかわいそうだった。何もできなさそうな厳しい状況なのに、何かできることはあると考えさせられた。また、年上の方の経験は重要だと学ばされた。
- 大きな鳥が小さな鳥に飛び方を教えているシーンが興味深かった。友達を助けてあげようと思ったし、チームワークが大切だと思った。一人ではできなくても、チームでなら目標にたどり着けると思った。
映画から受け取るメッセージは十人十色。正解はありません。
映画とそのメッセージが長く子どもたちの心に残りますように…。
ワークショップ
今回のワークショップの目標は、「自分の感想や考えたことを表現できるようになること」。
目標設定には、学校の先生たちのこのような想いが込められていました。
「多くの途上国と同じように、ザンビアでも感想を問われると『good』で終わってしまう傾向にあり、具体的に何がよかったのか、何を思ったのかまで表現できないことが多いです。背景としては、日本の国語教育にあるような作文、感想文の授業が著しく少なく、そもそもそれらの文章を構築するだけの識字力が追い付いていない現状があります。」
これらを踏まえて、今回は以下3つのワークショップを上映後に実施しました。
1. メインキャラクターの2羽の鳥たちに名前を付けるとしたら? 2. 一番好きなシーンとその理由 3. 好きなシーンの中で鳥たちはどんな話をしていたと思う?セリフを考えてみよう! |
ザンビアではペットなど動物に名前をつけるという習慣がないらしく、例えば猫はそのまま「猫」と呼ぶそうです。
そんななかで、鳥たちの名前には、クラスメイトの名前がたくさん出てきたのだとか。
文化の違いを感じられる興味深い内容ですね!
好きなシーンでは、大きな鳥が小さな鳥に飛び方を教えるシーンなどが挙げられたそうです。
そのセリフは「飛んでみて!」や「一緒に飛ぼう!」など、かなり熱血…!
子どもたちがセリフを述べる様子をその場で見てみたいとワクワクしました。
最初のうちは、子どもたちは不慣れで戸惑い、周りの描いている内容を真似るばかりでしたが、「自由になんでも書いてね」と伝えるうちにだんだんと掴めてきたようで、質問3のころには進んで「発表したい!」と何人も挙手するまでに至ったそうです。
最後に
ワークショップの過程において、最初は戸惑っていたものの、どんどん書いたり発言したりする子どもたちの様子を見て、コーナーストーン・オブ・ホープの皆さまもびっくりされたそうです。私たちWTPスタッフもお話を聞いているだけで嬉しくなりました。
「今後も継続的に行うことで子どもたちの表現力や言語化能力が上がっていくのではと楽しみになりました」というお言葉も頂くことができました。
今回だけでなく、これからも継続して上映できるよう、現地の皆さまと一緒に上映を進めていきたいと思います。
この度上映してくださったコーナーストーン・オブ・ホープの皆さま、本当にありがとうございました。
いつもWorld Theater Projectの活動を応援してくださる皆さまに、また嬉しいご報告ができるよう、これからも尽力いたします!
〜応援したい!と思ってくださった皆さまへ〜
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