「映画の妖精 フィルとムー」がウガンダの子ども達に届きました。
上映してくださったのは、フォトグラファーでcinema starsアフリカ星空映画館の桜木奈央子さんです。
桜木さんから上映時のレポートが届きました。

はじめまして。「cinema stars アフリカ星空映画館」代表の桜木奈央子といいます。

わたしは、フォトグラファーとしてずっとアフリカに通っているのですが、内戦が終わって平和になったウガンダ北部をベースに、去年から移動映画館を始めました。ウガンダ以外にもエチオピア、カメルーンで子どもたちに「はじめての映画体験」を届けてきました。これからもアフリカのいろんな場所に出かける予定です。

はじめて映画をみるウガンダの子どもたち
ウガンダは緑豊かな国です
村の子どもたち

WTP代表のさおりさんには、団体立ち上げの時から相談に乗ってもらったり、いろんな手助けをしていただきました。さおりさんがいなかったら、cinema starsのアフリカでの活動は始まらなかったかもしれません。

今回、みなさまのお力で素晴らしい作品「映画の妖精フィルとムー」が完成し、それをアフリカで上映させていただいたことは、本当に光栄です。今回は、アフリカで上映した時の様子をお伝えしたいと思います。

今回上映したのはウガンダのリラという町です

11月末、わたしは2001年から通い続けているウガンダへと向かいました。プロジェクターとスピーカー、大きなスクリーン(わたしたちは防災シートを使っています)、そしてフィルとムーを持って。

今回はアニメーション3本立ての上映スケジュールを組みました。「映画の妖精フィルとムー」はオープニング作品としていちばん最初に上映しました。上映場所は全寮制の小学校。内戦の影響で親と暮らせない子どもたちが暮らし学んでいる学校です。

学校の子どもたち

この学校にも電気がないので、まずは電気の確保です。ジェネレーターを借りて、燃料を入れました。学校の先生たちと一緒にスクリーンをはって、機材チェックをして…とわたしたちが走りまわって準備しているあいだ、子どもたちは待ちきれず、すでに着席して待っていました。背中に子どもたちからのプレッシャーを感じながら準備しました。

やっと上映です。スクリーンに映像がうつります。子どもたちの目が輝き始めました。わたしがいちばん好きな瞬間です。

フィルの登場シーンでは、子どもたちがくすくす笑っていました。動作や表情がおもしろいようです。スクリーンに夢中の子どもたち。わたしはそれを見ているだけで胸がいっぱいになりました。

キングコングのシーンで、顔を手で覆って指の隙間からのぞいている子がいたり、小さな子どもをひざに乗せて一緒に鑑賞していたら、子どものドキドキが伝わってきて、なんだか一緒にドキドキしてしまいました。暗闇で、ひとつの光を見つめること。なんて豊かな時間だろう、と思いました。物語が終わった時、子どもたちからは拍手が起こりました。

このあと、村でも上映しました。大きな木にスクリーンをくくりつけて、満天の星空のしたで、フィルとムーをみました。近所の子どもたちが集まってきました。

村での上映準備
村での上映

アフリカの夜が好きです。蛍が飛んでいて、流れ星が流れて、時々風の音がします。少し肌寒くて、となりの人の体温があたたかい夜。これからもたくさんの子どもたちがフィルとムーに出会うことがとても楽しみです。

そして子どもたちがこんな笑顔を見せてくれるから、わたしはアフリカに通い続けるのかもしれません。

記事・写真 桜木奈央子

ウガンダに通い続ける桜木さんの様子は、「内戦の傷跡が残るウガンダに希望の光をともす日本人フォトグラファー」としてNHK BSの「ぐるっと赤道3時間スペシャル」の中でも紹介されました。

桜木さんは現在、2018年8月に向けて、新しいプロジェクト「「HIKARI Africa project」アフリカの夜、光の世界と星空映画館を子どもたちに届けたい」を立上げています。二児の母でありながら、アフリカの子ども達にも希望の光を灯し続ける桜木さん。ぜひ素敵なプロジェクトを覗いてみてください。

▼「HIKARI Africa project」アフリカの夜、光の世界と星空映画館を子どもたちに届けたい
https://motion-gallery.net/projects/hikari-africa

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