NPO法人World Theater Projectが主催する、映画上映イベント&トークイベント「CINEMA AID」。
2019年11月に開催されたイベント模様を、お伝えします!
モンゴルの映画配達人からの報告
イベントのスペシャルゲストとしてご登壇頂いたのは、モンゴル映画配達人の宮原優哉さん。
約2年前にモンゴルを訪れ、モンゴルの文化や時代背景に興味を抱き、様々な分野で精力的にご活動されてる方です。
今回ご登壇頂いた経緯については、6月に開催されたシネマエイド前進のイベントに、宮原さんご自身がお客様としてご参加くださり、様々なご縁によって実現されました。
温かい空気に包まれる中、宮原さんの軽快なトークが始まります。
「モンゴルってどんな国?」を最初のテーマに、分かりやすく丁寧にお話してくださいました。
モンゴルの孤児院を度々訪れる中で、子供達は施設外の人達との交流があまりなく、様々な家庭環境から、傷付き心を閉ざしている子供達が多かったとのこと。
そんな中でも、モンゴルの国民性である「絆」が強く感じられたのが印象的だったとお話されていました。
モンゴル人は遊牧民であるがゆえ、様々な家族が協力し合わないと収入源や食料源が絶たれてしまう。
どんな状況下でも人を敬い、優しく愛情深いモンゴルの人々に感銘を受けたとお話されてらっしゃいました。
またトーク中盤では、
「映画には2つの力がある」をテーマに、「国を越えて人を繋げる力」「人を育む力」にフォーカスされ、丁寧に分かりやすくお話してくださいました。
これにはお客様も強く共感されていたようです。
あっという間の時間でしたが、終始優しい空気に包まれた素晴らしいトークショーとなりました。
モンゴルの映画配達人宮原 優哉(Yuya MIyahara)
2016年、早稲田大学政治経済学部卒業。 その後、大手通信会社に勤務した後、2017年に転職。 転職先では新規事業開発に取り組み、高校生指導の塾、モンゴルでの教員勤務、スリランカで日本語学校立ち上げの後、現在は大学生のためのキャリア支援事業を行なっている。 本業の傍ら、2017年にモンゴルで教員をしていたことから、日本に住むモンゴル人との交流会やモンゴルツアーを行なうNGO Mongolyの代表をしている。2019年よりNPO法人World Theater Projectモンゴル支部代表就任。
今回の上映作品は『らくだの涙』
宮原さんいわく、「モンゴルを知るならこの映画を観よ。」と現地のモンゴル人にもオススメされた映画とのこと。
実際鑑賞してみて、モンゴルでの暮らしぶりが事細かに描かれており、モンゴルを肌で感じることの出来る映画でした。
母ラクダが自分の子供を愛せず、行き場のない気持ちに苦しむ姿に、まるで人間の心を彷彿させ、映画を通して様々な感情が沸き上がってきます。
クライマックスである音楽療法のシーンでは、遊牧民族の優しく愛情深い歌声が会場中をも包み込みます。まるでヒーリングされたかのように、母ラクダが目を真っ赤に潤ませ、大粒の涙を流し、産まれたばかりの子ラクダに母乳を与える姿がとても印象的でした。
人も動物も憤りない感情を抱えいるのは同じであり、「生きるとはなにか?」「愛とはなにか?」を改めて考えさせられた映画でした。
あらすじ
モンゴルの大地に暮らす遊牧民の一家と、らくだや羊、山羊たち。春、一頭のらくだが難産の末、子らくだを産み落とします。ところが、母らくだは子どもに乳を与えようとしません。このままでは子どもは死んでしまう……。子どもに愛情を持てない母らくだの心を癒そうと、馬頭琴を奏でる音楽療法を試みるモンゴルの遊牧民族。彼らの素朴な生活と、人間と動物の距離感、そしてラストで母らくだが見せる思いがけない表情など、都会に住む人間には驚きと不思議に満ちたドキュメンタリーが世界からも高い評価を受け、第77回アカデミー賞ドキュメンタリー部門にもノミネートされています。
モンゴルのスタディツアー
2020年夏、モンゴルでの映画配達を実際に体験できるスタディツアー開催に向けて、ただいま準備中です。
ぜひ続報をお待ちください!
次回のCINEMA AIDは
次回は、ネパールの映画配達人である古屋祐輔(通称、チョフ)さんから、ネパールでの映画上映会の話はもちろん、チョフさんが移住に至るまでの話やネパールでの生活事情などを、お時間が許す限りいっぱい語っていただきたいと思っています。
『映画の妖精 フィルとムー』も上映予定です。
詳細、お申し込みはこちらから。
次回のCINEMA AIDも、お楽しみに!
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