青年海外協力隊としてマダガスカルで活躍される郡山文さん。
2016年5月に、ZOVAanKIDSを立ち上げました。
マダガスカルの方言で、ZOVAは太陽、ankizyは子どもを意味します。
現在は移動映画館の他に、移動図書館などの企画を準備中とのこと。
「子どもと関わるのはまだ見えぬたくさんのワクワクが尽きないので幸せです」と語る郡山さんから、ZOVAanKIDSで実施された移動映画館のレポートが届きました。
移動映画館 in MADAGASCAR by ZOVAanKIDS
マダガスカルのこと
マダガスカルは、アフリカと東南アジア、さらには中東など様々な文化が複雑に混ざりあったとても魅力的な国です。歌と踊りが大好きなのに、とてもシャイ。米が主食など、アジアを感じる側面も多々あります。『星の王子様』のお話に登場するバオバブの樹など、独特な風景と固有の動植物が生息する島国です。
マダガスカルには、きちんとした映画館と呼ばれるものが一つもありません。がしかし、町中に海賊版のDVD屋さんがあります。ミュージッククリップや映画を見るのは大好きなのです。
移動映画館にたどり着くまで
日々ボランティアとしてマダガスカルで暮らしていて、与えられた2年間で本当にすべきこと、日本人である私ができることは何なのか模索していた時、たどり着いた答えの一つが「マダガスカル人の若者達が、自らマダガスカルの為に考え、行動を起こすきっかけを作ること」でした。そしてようやく生まれた団体、それがZOVAanKIDSです。
メンバー全員で考え、たどり着いたモットーは“難しきことこそ面白く!“
楽しさをベースに、教育を中心に据えた活動を進めることになりました。
マダガスカルの子どもたち
マダガスカルの教育はまだまだ問題が山積みです。学校へ通っていない子どもや、小学校でも中退してしまう生徒が沢山います。理由は、勉強についていけない、妊娠してしまう、学費が払えないなど様々です。私の活動先の中学校でも、昨年進級できたのはクラスのたったの60%。
教室も先生も足りません。1クラス約80人の生徒で、教科書は先生が持っているテキスト1つだけなんてことが当たり前の世界。
無いないづくしのこの国で、今日も元気に子ども達は学んでいます。
移動映画館への想い
ZOVAanKIDSの活動の一つであるシネマプロジェクトでは電気も水もアクセスの厳しいような農村部の小学校を巡回しながら映画を届けています。
ある日、学校に映画館がやってきて、みんなで一緒に映画を見たこと。
そんな級友と一緒に経験した学校でのとびっきり楽しい出来事。それが、また明日も学校へ行こうと思うきっかけの一つになりますように。そしていつか彼らが親になった時、自分の子どもを学校へ通わせる理由になりますように。そうやっていつの日か誰一人かけることなく教育が当たり前に受けられるように。そんな願いをもって、移動映画館の活動を行っています。
移動映画館を届けた学校で起こったこと
移動映画館に協力してくださったとある学校の校長先生が嬉しい連絡をくれました。
「あの日から子ども達が変わったの」と。先生の言うことをよく聞くようになり、授業も以前と比べて熱心に取り組むようになったのだそうです。それは、子どもたち自身が、学校に通う意味を見出したからではないかと言われました。
学校へ通うこと。それは、子どもたちが未来を歩んでいく為の大事な大事な一歩です。少しでもその支えになれるように。
これからもZOVAanKIDSは、様々な形で活動を進めていきたいと思っています。
郡山文(こおりやま・ふみ)
大学卒業後、約4年間勤務した日本企業を休職し、現在は青年海外協力隊として2016年1月から2年間、アフリカの島国マダガスカルの公立小・中学校にて主に体育をメインとして授業の質向上に向け、活動中。
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