バングラデシュ 電気の通っていない教室で

2018年4月16日。バングラデシュの南東部、チッタゴン丘陵地帯のバンドルボン県で、ボム民族の村に続き、ムロ民族の村にも映画を配達しました。作品は、「フィルとムー」です。

ムロ民族の村へ

バンドルボンの丘陵を、CNG(天然ガストラック)でさらにもう少し登り、次はムロ民族の村を訪れました。
下のトゲトゲした草は、焼畑パイナップル。そして、畑仕事を休憩している少数民族ジュマの人々。(Jumma は Jum = 焼畑する の意から名付けられた、チッタゴン丘陵地帯で暮らす11民族の総称)

ベンガル歴の新年を迎え、国が祝日モードのこの日、
訪れたムロ族の村の学校は、なんと授業をやっていて!また先生が、私の友人の友人で!!
突然にも関わらず、快く上映を受け入れてくれました。

学校の教室は2つ。1つが1〜3年生の教室で 30人程がぎゅうぎゅうに座り、もう1つが4、5年生の教室で 10人程が勉強していました。

ちなみにバングラデシュの教育制度は 5・5・2制 で、Class 1-5 が小学校(Primary School)、Class 6-10 が中学校(Secondary School)、その後 2年が高校(College)となっています。

映画はひとつの教室で、みんな一緒に見よう ということになりました。
移動が早い!日本なら「走るな!」と言われそう…

電気の通っていない村

教室の天井を見ると、ファンが付いていないことに気付き、この村に電気が通ってないことが分かりました。学校自体も、政府ではなくNGO(非政府組織)の運営であり、この村の子どもたちがかろうじて初等教育を学べていることが分かります。

今私の手元にあるWTPのプロジェクターとサウンドボックスは充電式なため、このような環境の場所でも上映可能です。今後、尺の長い作品や一日に数回上映する場合は ジェネレーターをレンタルすれば大丈夫。また、今回はシーツをスクリーン代わりにしました。

映写機でスクリーンに映し出すため、空間を少しでも暗くしなければならず、開けている窓もドアも閉めさせてもらうことに「ごめんね…蒸し暑いよね…」と思いながら、それでも 8分の時間の中で、暑いよりも 楽しい!と多く思ってもらえたらと願い、上映を始めました。

上映中…こどもたちはコロコロと笑い、オーーーと半分立ち上がり、映画「フィルとムー」を見つめ、その間私はずっと、そんなこどもたちに見蕩れてしまいそうでした。

ただただ 私の方が、これからの勇気や抱負をもらったような、初めての移動映画館の日。
子どもたちがどんな気持ちを感じたか、言葉で聞いて来ることを忘れてしまったのですが、後でカメラの写真たちを あらためて見て……喜んでくれてたかもしれない、と感じました。次は、尺も言葉もあって、ベンガル語翻訳もしたアニメや作品を持って また来る!と、彼らとも約束したのでした。

まだ小学校就学前の、ちょうど学校のそばで 妹を水浴びさせていたムロ族の女の子たち。

ムロ民族の子ども

私のとってもお気に入りな ムロ族やクミ族が 耳や髪に生花を飾る伝統スタイル。教室にいた子のように、男の子も飾ります。以前、彼らとの出会い頭に、善かれと思われ 耳に生花を挿された(挿してもらった)ことがありますが…ピアスの穴にはちょと痛い。でも、好意が嬉しい…そんなムロ族の宗教は アニミズム(自然信仰)です。

原田 夏美

日藝映画学科卒業後、ドキュメンタリー制作会社の勤務を経て、学生時代に映像課題のテーマにしたバングラデシュに2014年より暮らし始める。中でもチッタゴン丘陵地帯や少数民族地域と深く関わり、写真・映像制作を行う。現在は活動名を “ChotoBela works” とし、バングラデシュの子どもたちの「子ども時代」(チョトベラ)を彩れるよう、映画上映を含む活動に取りかかる。