こんにちは!
World Theater Projectの薬師寺です。
念願のディズニー作品『バズ・ライトイヤー』(2022)の上映実現について、
「上映実現までの道のり(前編)」に続いて「実際の上映の様子(後編)」をお届けいたします!
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いざ、上映
2023年3月3日
今回上映したのはシェムリアップ州の農村部にあるKnat Primary School。
小学5、6年生の、88人もの子どもたちが参加してくれました。
子どもたちにとって初めてのディズニー映画。
子どもたちの反応はいかほどだったのでしょうか…?
(スクリーンを見つめる子どもたち)
さすがディズニー作品。
セリフがわからなくても(字幕はありますが)、作り込まれたビジュアルとサウンドであっという間に子どもたちを惹きつけてしまいました。
現地で実際に上映した山中自身も、ディズニー作品は面白いシーンと真面目なシーンがしっかり計算されてつくられているように感じたそうです。
真面目なシーンが続いて子どもたちの集中力が途切れそうになる前に、面白いシーンで笑いを誘う、という流れがあり、だからこそ子どもたちは飽きずに映画を楽しむことができるのでは、ということでした。
さすがディズニー。感嘆せずにはいられません。
一方で問題もありました。
それは、字幕のスピードです。
私たち日本人が外国語の作品を日本語字幕で観ることはごく一般的です。
しかしカンボジアの子どもたちに「字幕で映画を観る」という習慣はありません。
加えて今回の上映で、クメール語字幕が表示されるスピードが大人でも追いつかないくらい速い、ということがわかりました。
しかし字幕のスピードを調整することは出来ないため、上映は続行。
字幕を追うことの疲れもあいまって途中から子どもたちの集中力が切れてしまったため、休憩を挟んでから後半を上映することになりました。
しかし、その休憩時間にまさかの事件が・・・
事件発生
休憩時間中、子どもたちは校内にある駄菓子屋にお菓子を買いに行ったり、自由に過ごしていました。
(カンボジアの小学校には駄菓子屋があります!)
しかし、休憩時間が終わる時間になっても、子どもたちの半分ほどが戻ってきません。
何かあったのかと様子を探ってみると、なんと先生のカバンからお金を盗んだ子どもがいたようで、子どもたちが集められて先生と話をしていたのです。
(先生と話をする子どもたち)
まさかすぎる展開に、現地で上映していた山中も冷や汗。
戻ってきている子どもたちだけで上映を再開しようかと検討していたところ、子どもたちが戻ってきました。
(え、もう話し終わったの…?)
詳細は不明ですが、事件は解決したようです。気を取り直して上映再開です。
子どもたちは特にアクションシーンや猫型ロボットのコミカルな動きが気に入ったようで、最後まで飽きずに映画を観てくれました。
上映が終わると、映画のシンボルでもある「To infinity and beyond」のポーズを真似している子どもたちの姿が。
せっかくなので全員でポーズを真似してみました。
(To infinity and beyondのポーズを真似する子どもたち)
このポーズがクラスで流行っていたら嬉しいなぁと思います。
『バズ・ライトイヤー』初上映を終えて
上の写真からも伝わるように、子どもたちが映画を楽しんでくれたことは、本当に喜ばしいことです。
上映実現までの努力が報われた気分でした。
ただ、字幕が速い、という点に対しては悔しい気持ちが消えません。上映後に話を聞いてみると、やはり子どもたちは物語を100%理解できた訳ではないようです。
クメール語吹き替えを上映することができれば… という思いが一層強くなった上映となりました。
しかし、子どもたちにディズニー作品を届けることができた、ということ自体はやはり意味のあることだと考えています。映画のクオリティはもちろんですが、それ以前に、カンボジアの人々はあまり「ディズニー」を知らないからです。
「ミッキー」や「アナと雪の女王」のように、知っているキャラクターや作品もあるにはあるのですが、それが「ディズニー」の作品であるということはあまり知られていないという情報も入手することができました。
クメール語吹き替えを用意することは難しいですが、子どもたちが映画をより楽しめるよう工夫を重ね、より多くの子どもたちに「ディズニー作品」を届けていきたいと思います。
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World Theater Project 薬師寺
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